子どもの習い事としても、メジャーな「そろばん」。
これからそろばん検定を受けようか考えている方の中には、検定についての疑問や悩みがある方も多いのではないでしょうか?
この記事ではこれらの疑問や悩みはもちろん、そろばん検定について、わかりやすく解説していきます!
目次(クリックでジャンプ)
主にそろばん検定試験を主催している連盟は3つ
そろばん検定を主催している連盟は、3つあります。
- 日本珠算連盟(日珠連)
- 全国珠算教育連盟(全珠連)
- 日本計算技能連盟
ここでは、この3つの連盟について解説していきます。
主催連盟①日本珠算連盟(日珠連)とは?
日本珠算連盟は、日本商工会所と深い関わりがある団体です。
設立は1953年で、主にそろばん普及に力を入れています。
この団体には、他とは違う特徴があります。
1〜6級までは、「日本商工会議所主催 珠算能力検定」に委託をして行っています。
そしてそれ以下の級・段位は、日本珠算連盟が主催で行っています。
主催連盟②全国珠算教育連盟(全珠連)とは?
全国珠算教育連盟は、文部科学省が後援している団体です。
設立は、日本珠算連盟と同じ1953年です。
日本珠算連盟と違い、商工会議所との関わりはありません。
小学校の指導に協力したり、教育者育成に力を入れたりしています。
主催連盟③日本計算技能連盟とは?
日本計算技能連盟は、2013年に設立した一般社団法人です。
この団体は、そろばん教育の普及や算数・数学教育に関わる人たちに対する人材育成や情報共有に力を入れています。
検定試験の他に、全国大会や指導者講習会を実施しています。
それぞれのそろばん検定試験の試験内容を比較
そろばん検定の試験内容は、連盟によって異なります。
ここでは、検定試験の内容を3つの連盟ごとに分けて比較していきます。
日本珠算連盟(日珠連)が主催しているそろばん検定の種類は3つ
日本珠算連盟が主催するそろばん検定は、3種類あります。
- 珠算能力検定試験
- 暗算能力検定試験
- 段位検定試験
ここからは、3種類の検定試験について1つずつ解説していきます。
種類①珠算能力検定試験の試験内容
珠算能力検定試験の試験内容は、以下の通りになります。
- 見取り算(足し算・引き算)
- かけ算
- わり算
これらを組み合わせて、出題されます。
種類②暗算能力検定試験の試験内容
暗算能力検定試験の試験内容は、以下の通りになります。
- 見取り算(足し算・引き算)
- かけ算
- わり算
これらを組み合わせて、出題されます。
種類③段位検定試験の試験内容
段位検定試験の試験内容は、以下の通りになります。
- 見取り算(足し算・引き算)
- かけ算
- わり算
- 暗算
これらを組み合わせて、出題されます。
全国珠算教育連盟(全珠連)が主催しているそろばん検定の種類は2つ
全国珠算教育連盟が主催するそろばん検定は、2種類あります。
- 珠算検定試験
- 暗算検定試験
ここからは2種類の検定試験について、1つずつ解説していきます。
種類①珠算検定試験の試験内容
珠算検定試験の試験内容は、以下の通りになります。
- 10~7級まで→見取り算(足し算・引き算)
- 4~8級まで→見取り算、かけ算、わり算
日本珠算連盟と試験内容は似ていますが、級によって問題内容が変わります。
種類②暗算検定試験の試験内容
暗算検定試験の試験内容は、以下の通りになります。
- 8~10級まで→見取り算(足し算・引き算)
- 7級→見取り算(足し算・引き算)、かけ算
- 6~1級→見取り算、かけ算、わり算
- 準初段~10段→見取り算、かけ算、わり算、小数入りの問題
日本計算技能連盟が主催しているそろばん検定の試験内容
日本計算技能連盟が主催するそろばん検定は、以下の通りになります。
珠算
- 10級→見取り算
- 9・8級→見取り算、かけ算
- 7~1級→見取り算、かけ算、わり算
- 段位→見取り、かけ算、わり算
暗算
- 10~6級→見取り算
- 5~1級→見取り算、かけ算、わり算
それぞれのそろばん検定試験の頻度と受験料の比較
そろばん検定の頻度と受験料は、連盟によって異なります。
ここでは、試験の頻度と受験料を連盟ごとに分けて比較していきます。
日本珠算連盟(日珠連)が主催している検定試験の頻度
日本珠算連盟の検定試験を実施する頻度は、以下の通りになります。
- 珠算4~10級と暗算1~10級が年12回
- 珠算1~3級と珠算・暗算の段位が年3回
日本珠算連盟(日珠連)が主催している検定試験の受験料
日本珠算連盟の受験料は、以下の通りになります。
珠算
- 7~10級→910円
- 6~1級→2340円
- 段位→2550円
暗算
- 1~10級→910円
- 段位→1220円
全国珠算教育連盟(全珠連)が主催している検定試験の頻度
全国珠算教育連盟の検定試験を実施する頻度を解説していきます。
- 珠算4~10級と暗算1~10級が年12回
- 珠算1~3級と珠算・暗算の段位が年6回
以上が、全国珠算教育連盟の受験頻度になっています。
1の方は、日本珠算連盟よりも受験頻度が多いのが特徴です。
全国珠算教育連盟(全珠連)が主催している検定試験の受験料
全国珠算教育連盟の受験料は、以下の通りになります。
珠算
- 11~20級→600円
- 7~10級→1000円
- 6~1級→1600~2400円
- 段位→3000円
暗算
- 7~10級→600円
- 4~6級→900円
- 3~1級→1000円
- 段位→1600円
日本計算技能連盟が主催している検定試験の頻度
日本計算技能連盟の検定試験は、級位も段位も1ヶ月に1回開催されています。
そのため、段位の受験は日本珠算連盟や全国珠算教育連盟よりも受けやすくなっています。
日本計算技能連盟が主催している検定試験の受験料
日本計算技能連盟の受験料は、以下の通りになります。
- 4~10級→1000円
- 1~3級→1500円
- 段位→2000円
それぞれのそろばん検定試験の難易度と合格基準の比較
そろばん検定の難易度と合格基準は、連盟によって異なります。
ここでは、検定の難易度と合格基準を連盟ごとに分けて比較していきます。
難易度と合格基準①日本珠算連盟(日珠連)主催 珠算能力検定試験
日本珠算連盟が主催する珠算能力検定試験の難易度は、3級から1級にかけて急激に難しくなります。
また、6級はかけ算とわり算の難しさが大きく変わります。
9~7級が簡単だったからといって、高を括ると危険かもしれません。
合格基準は以下の通りです。
- 10級→200点満点中60点以上
- 7~9級→200点満点中120点以上
- 4~6級→300点満点中210点以上
- 1~準3級→300点満点中240点以上
難易度と合格基準➁日本珠算連盟(日珠連)主催 暗算能力検定試験
日本珠算連盟が主催する暗算能力検定試験の難易度は、見取り暗算ができるかできないかで難しさが変わります。
他の問題は、慣れが重要になってきます。
合格基準は、以下の通りです。
- 10級→500点満点中250点以上
- 9級→500点満点中300点以上
- 8級→500点満点中350点以上
- 7~1級→500点満点中400点以上
難易度と合格基準③日本珠算連盟(日珠連)主催 段位検定試験
日本珠算連盟が主催する段位検定試験の難易度は、難しさもありますが、スピードが必要となります。
さらに、問題数も1級の3倍になります。
スピードと正確性の両立が必要となります。
合格基準は以下の通りです。
段位検定試験の場合
- 準初段→90点以上
- 初段→100点以上
- 準2段→110点以上
- 2~10段→120~290点以上
難易度と合格基準④全国珠算教育連盟(全珠連)主催 珠算検定試験
全国珠算教育連盟が主催する珠算検定試験は、バランスよく、尚且つスピードも重要になります。
バランスよく点数を稼ぐ必要があり、スピード感を求められる問題もあります。
そのため、最初から最後まで緊張感が続く難易度といえるでしょう。
合格基準は以下の通りになります。
- 9~15級→1種目150点満点、2種目とも100点以上
- 4~8級→1種目150点満点、3種目とも100点以上
- 1~6級→1種目150点満点、5種目とも100点以上
- 段位→1種目300点以上、6種目とも初段は80点以上。点数によって段位が上がり、10段は280点以上
難易度と合格基準⑤全国珠算教育連盟(全珠連)主催 暗算検定試験
全国珠算教育連盟が主催する暗算検定試験は、気を抜くと躓いてしまう難しさです。
特に、かけ算が入る7級、わり算が入る6級には用心する必要があります。
合格基準は以下の通りになります。
- 7~10級→1種目100点満点、2種目とも70点以上
- 1~6級→1種目100点満点、3種目とも70点以上
- 段位→1種目200点満点、段位が上がるごとに合格点が上がり、10段は190点以上
難易度と合格基準⑥日本計算技能連盟主催 検定試験
日本計算技能連盟が主催する検定試験は、全体的にバランスがよくて、モチベージョンを保てる難しさです。
段位に入るまでの基盤作りができる、級位の組み方になっています。
合格基準は以下の通りになります。
- 級位→1種目100点以上
暗算
- 6~10級は1種目100点以上
- 5~1級は1種目70点以上
段位
- 珠算は3種目中の最低点の得点
- 暗算は3種目中の最低点の得点
そろばん検定試験に合格するためのおすすめ勉強法3選!
そろばん検定に合格するためには、どのような勉強をしたら合格率が上がるのでしょうか?
ここからは、そろばん検定に合格する勉強法を3つ解説していきます。
勉強法①初心を忘れず、基礎をおろそかにしない
1つ目は、初心を忘れず、基礎をおろそかにしないことです。
そろばんを長期間使用していたり慣れてくると、自己流の弾き方をしてしまう方も多くなります。
自己流は確かに早く弾けるかもしれませんが、上達の妨げになることもあります。
そのため長い目で見ると、基本を大切にしている人の方が自己流よりも上達していることがあります。
練習の合間に正しい指の置き方で、ゆっくり丁寧に動かしてみましょう。
基本に還ることが、合格のコツになります。
勉強法➁問題集を何度も解く
2つ目は、問題集を何度も解くことです。
試験合格には、試験内容をマスターしておくことが重要です。
試験を受けるときは事前に内容を把握しているのと、何も分からないで挑むのでは、結果に大きな差が出ます。
そのため、試験の内容に準じた問題集を活用して、対策をしましょう。
問題集で演習を繰り返すことで、傾向の理解と対策を講じて、検定前に合格点を取れるようになります。
演習の段階でミスをしても自分の弱点を知るチャンスなので、間違いを恐れず果敢に挑戦しましょう。
勉強法③問題を解くときに、時間を計る
3つ目は、問題を解くときは「時間を計ること」です。
そろばん検定は、級・段が上がる程、時間がとても重要です。
スピードが遅いと、時間に間に合わなかったり、焦りによるミスを増やす可能性を高めてしまいます。
そのため、問題を解くときは時間を測って、スピードを意識してみましょう。
そして、時間内に全て解くことを意識しましょう。
スピードを重視しすぎて、沢山間違えてしまっても大丈夫です。
早く解くことに慣れてくると、焦って問題を解くことが減っていくので、少しずつ正確に解けるようになります。
そろばん検定は将来役に立つの?
そろばん検定の受験をすることで、「将来何かの役に立つの?」と疑問に感じる方もいますよね。
ここからは、そろばん検定が将来どのような場面で役に立つのか、解説していきます。
そろばん検定は就活で有利に働く資格
そろばん検定は、就活で有利に働く資格です。
そろばんや暗算を仕事で毎日使うことはありませんが、資格所有のアピールは就活では有利に働きます。
更に、地頭の良さを強みにできます。
地頭の良い人は、円滑な人間関係の構築・臨機応変な対応・物覚えがいい、という特徴があります。
さらに、資格を所有していることにより、面接官に「諦めず頑張れる人」という印象も与えられます。
特にそろばん検定が有利に働く業界
そろばん検定の資格は、どこの業界でも有利になります。
その中でも、特に金融業界や建設業界は、有利に働きます。
そろばんで培った暗算力が、データ打ち込み等で活躍します。
履歴書に書けるそろばん検定の種類と級数
履歴書に書くことができる、そろばん検定の種類と級数は決まっています。
まず、そろばん検定の種類についてです。
履歴書に書けるそろばん検定の種類は、3つあります。
- 商工会議所
- 日本珠算連盟
- 全国珠算教育連盟
次に、履歴書に書ける級数です。
書いていい級数は、3級以上からになります。
それ以下になると、アピールポイントとしては弱くなってしまいます。
また、現在のそろばん検定は、1級も取りやすくなっています。
企業によっては1級以上が評価の対象になっているところもあるので、注意が必要です。
そろばん検定を履歴書に書く際のチェックポイント3つ
履歴書にそろばん検定を書く際、チェックするポイントが3つあります。
ポイント①資格を取得した順番に記載する
1つ目は、資格を取得した順番に記載することです。
取得順は、他の資格でも同様になります。
取得した順番を正確に記入することが、重要になります。
そして記入する際は、西暦と和暦、どちらかに統一しましょう。
例えば、「2021年5月 全国珠算教育連盟主催 珠算検定 初段」と記入した場合。
次が和暦だったとしても、西暦に変換して書く必要があります。
ポイント➁検定の正式名称を記載する
2つ目は、検定の正式名称を記載することです。
検定試験は団体によって名称も級数、段数も異なります。
履歴書は、資格内容だけが見られている訳ではありません。
資格の名称が正確に、丁寧に書かれているかどうかも見られています。
また、誤字脱字をすると評価が下がるので、間違えないように丁寧に書きましょう。
ポイント③検定の合格証明書を添付する
3つ目は、検定の合格証明書を添付することです。
企業によっては、検定の合格証明書提出を求められる可能性があります。
それが出来ないと資格取得を認めない場合があります。
合格証明書は大切に保管しておきましょう。
また、無くしてしまった場合は、団体に問い合わせて再発行をお願いしましょう。
手数料がかかりますが、再発行が可能です。
あなたにぴったりなそろばん検定の種類は見つかりましたか?
ここまで、3つのそろばん団体が主催するそろばん検定について解説してきました。
そろばん検定試験の種類、難易度、合格基準を知る中で、どれを受験するか迷う方もいると思います。
もし迷ってしまったときは、試験開催地や頻度、試験内容はもちろん、今の実力にあった級を受けるのがおすすめです。
持っていると就活でも役立つ、そろばん検定。
自分にあった主催団体・検定試験を選んで、無理なく先にすすめていきましょう!