薬剤師の実務実習で実際に病院と薬局で勤務していく中で
「薬剤師の仕事ってつまらないな~」
「やりがいを感じないな~」
と感じた方は多いのではないでしょうか?
もともと薬学部に入学される方は、「病気で困っている人の役に立ちたい!」等と、社会貢献の気持ちが強い方が多いです。
そのため実際の業務とのギャップにより、つまらないと感じてしまうのかもしれません。
実際私は「薬剤師ってつまらないな~」と感じてしまいました。
今回は薬剤師にやりがいを見出せない場合の仕事選びについてまとめました。
目次(クリックでジャンプ)
薬剤師ってなんでつまらないの?
そもそも、「薬剤師の仕事ってつまらない」ってどんなときに思うのでしょうか。
つまらない理由①:単調な調剤業務
薬局勤務・病院勤務どちらの場合でも、薬剤師といえば調剤業務は避けて通れません。
調剤業務では、医師の処方箋を確認し、問題なければ調剤をします。
特に若手は、まず基本的な業務を覚えるために、調剤業務を長時間担当することが多いです。
私の実習先の病院で働く1・2年目の新人薬剤師は「調剤業務とたまに注射剤調製業務」をするだけ。
病棟での勤務は3年目以降にならなければできないという環境でした。
毎日、「膨大な量の処方箋をみて、薬剤棚から薬を取り出して数える」ことの繰り返し。
だんだんと嫌気がさしてきてしまうのも無理ありません。
また、薬局薬剤師だと、処方箋の内容がかわり映えしないという点が、さらにつまらなさをあおります。
「かかりつけ薬剤師」という言葉が少しずつ広まってはいますが、まだまだ「門前薬局」が多いのが現状。
- かかりつけ薬剤師:かかりつけ医のようにどこの病院で診療を受けても、薬は決まった薬剤師に出してもらうこと
- 門前薬局:病院のすぐ近くにある薬局
こまの実習先の薬局は、整形外科の門前薬局でした。
そのため、調剤するのは、痛みを止めるためのロキソニンテープとロキソニンがほとんど。
痺れをやわらげるリリカやリマプロがたまに出る・・・そんな日々でした。
業務がいつも同じというのは「つまらない」につながる大きな理由ですね。
つまらない理由②:狭い世界ならではの人間関係
1つの病院や薬局で働く薬剤師の数は、決して多くはありません。
もちろん規模によりますが、病院では数十人程度、薬局では5~6人のことも。
そんな狭い世界であるにも関わらず、人間関係が必ずしも良好とは言えません。
長年その病院や薬局に勤めて地位を得てきたお局キャラが存在し、新人にきつくあたる場合も少なくはありません。
特に薬剤師は女性が多い職場で、女性の管理職も多いです。
こまの実習先の病院でも7割以上が女性で、新人薬剤師は4人中3人が女性でした。
同じミスをしても、新人の男性薬剤師はあまり怒られていないのに、新人の女性薬剤師はねちねちグチグチお局に怒られていました。
そんな理不尽な世界に入りたいとは思えませんでした。
つまらない理由③:うっとうしがられる服薬指導
患者さんに薬を渡す際、飲み方の注意点や副作用等、服薬指導をすることも薬剤師の重要な業務です。
しかし、「さっき医者からも聞いた」とか「急いでいるから」とまともに服薬指導ができない現状もあります。
それでも何かあった場合は「薬剤師から説明を受けなかった」なんて言われてしまうことも。
うっとうしがる患者さんに重要なポイントをきちんと伝えるというのは、とても気が滅入る業務です。
つまらない理由④:チーム医療といえど・・・医師の権力は強い
チーム医療に関わりたくて病院薬剤師を目指す人も多いかと思います。
「医薬分業」や「チーム医療」という言葉は浸透してきているものの、実際の業務では、まだまだ薬剤師は医師の下請けとなっている場合が多いです。
薬剤師は薬の専門家ですが、処方権は医師にしかありません。
医師の書いた処方箋に疑義があれば、問い合わせをしますが、なかなか話を聞いてもらえない場合もあります。
医師が「膨大な知識や経験をもっている」「とても多忙」なことはよくわかります。
しかしそれでも、医師と対等な立場に立てず、顔色やタイミングを伺い続けることは、多大なストレスとなります。
実は、薬学知識を生かした職場はたくさんある!
このように、病院や薬局での薬剤師業務に不満や悩みを抱えている方は多いです。
一方で、せっかく高い学費を払って6年間薬学部に通ったし・・・と不満をもったまま薬剤師業務を続けている方は大勢います。
しかし、薬学知識を生かせる職場は、意外とたくさんあるのです。
詳しくはこちらの記事↓ ↓ ↓
6年間勉強してきた知識を生かしつつも、薬局や病院の薬剤師としてではない道を考えるのも1つの手です。
実際、こまは、実務実習で薬局や病院現場を体験し、そこで薬剤師として働くことにやりがいを見出せませんでした。
特に「医師と対等に仕事ができない」ところに失望し、卒業後は医薬品開発に携わる仕事をしています。
今ある薬では治療ができない人達のために新薬を開発したいと強く願っている医師と仕事をすることもありますが、お互い「新薬開発」という同じ思いを持っているので、医師とも対等に会話ができるというところに魅力を感じています。
「薬学部=薬剤師」ではなく、就職や転職の幅を広げてみることも、つまらない薬剤師生活を抜け出すきっかけになるかもしれません。
それでも薬剤師免許はとろう!
「薬学知識を生かして、薬剤師ではない仕事をしよう!」と決めた場合でも、これから薬剤師国家試験を控えている場合、気を抜いてはいけません。
大学を卒業するタイミングで、薬剤師免許は必ず取得しておくことをおすすめします。
その理由は主に3つです。
①パートをする際に役に立つ
いつまでもバリバリ仕事したいと思っていても、家庭をもったり、子供ができたりすると、どうしても思うように仕事ができないことがあります。
場合によっては、正社員はやめて、家の近くでパートをする可能性も・・・。
その際、薬剤師免許があると、ドラッグストアで高時給でパートをすることも可能です。
②転職の幅がひろがる
薬剤師の仕事はつまらなそうだから、別の職種に就いた場合でも、「やっぱり薬剤師になりたい!」と思うかもしれません。
また、薬剤師免許を持っていると資格手当が付く職種もあります。
将来の転職の幅を広げるためにも、薬剤師免許を取得しておくことをおすすめします。
③ほしくなってからとるのはとても大変
薬剤師国家試験は、6年制薬学部を卒業していれば、いつでも受験することが可能ですので、いざほしくなった時に受けるということも可能です。
しかし、薬剤師国家試験の出題範囲はとても広く、必要な知識は膨大です。
あとから取得する場合、仕事をしながらの勉強はとてもハードです。
また、医療は日々進化しており、自分が学生の頃に学んだ知識では足りないこともあります。
そのため、あとでとる可能性が少しでもあるのなら、卒業のタイミングで取得しておくほうがよいでしょう。
薬剤師にはいろいろな働き方がある!自分にあった働き方を見つけよう!
薬剤師になりたい!と思って薬学部に入っていたとしても、全員が薬剤師にやりがいを見出せるとは限りません。
様々なことを学ぶからこそ、自分が思い描いていた薬剤師像とギャップを感じてしまうかもしれません。
その場合、必ずしも薬剤師という仕事に縛られる必要はありません。
人生の中で働くことに費やす時間は長いので、たくさん悩み、やりがいを感じられる仕事を見つけてください。
しかし、薬剤師免許は持っていて損をすることはありません。
これは誰もがとれるものではありません。
6年間薬学部で学んだ人に受験資格が与えられる、いわば特権です。
学生時代には、ゆっくりと勉強できる環境が整っているので、必ず取っておきましょう!
薬剤師国家試験の勉強についてはこちらの記事にまとめています↓ ↓ ↓