「薬剤師になりたいけど、どこの大学を選べば良いかわからない・・・」という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
志望校が決まらないと、受験勉強にも身が入らない。
できるだけ早く志望校を決めるのは、受験で勝つためにも重要です。
そこで今回は、国立大学・公立大学の薬学部の選び方とおすすめの大学について紹介します!
目次(クリックでジャンプ)
薬剤師を目指すには薬学部を卒業する必要がある
薬剤師になるには、薬剤師国家試験に合格しなくてはなりません。
しかし、薬剤師国家試験は誰でも受験できるわけではありません。
薬剤師国家試験には受験資格が定められており、薬学部(6年制薬学課程)を卒業していないと受験することすらできません。
「薬剤師になりたい!!」のであれば、大前提として薬学部を受験しましょう!
そもそも、国公立の薬学部っていくつあるの?
薬学部を受験するといっても、薬学部は全国にそんなに多くはありません。
国公立・私立の大学を合わせても、なんと75大学しかありません。(参照:日本薬剤師研修センター)
全国に、大学は786大学あるのでその中の1割にも満たないのです。(参照:ナレッジステーション)
中でも、国公立の薬学部は下記の通り18大学(公立は4大学)しかありません。
- 北海道大学
- 東北大学
- 千葉大学
- 東京大学
- 富山大学
- 金沢大学
- 岐阜薬科大学(公立)
- 静岡県立大学(公立)
- 名古屋市立大学(公立)
- 京都大学
- 大阪大学
- 岡山大学
- 広島大学
- 徳島大学
- 山口東京理科大学(公立)
- 九州大学
- 長崎大学
- 熊本大学
どうやって選ぶ?国立大学・公立大学の薬学部の選び方
大学選びのポイントって難しいですよね。
知名度や就職率、偏差値・・・あげればキリがありませんが、私は4つのポイントを軸に薬学部を選ぶことをおすすめします!
①実質的に薬剤師国家試験の合格率が高い大学を選ぶ
最初に書きましたが、薬剤師になるには薬剤師国家試験に合格し、薬剤師免許を取得する必要があります。
逆にいうと、薬剤師国家試験に合格できれば、東大を出ていてもそうでなくても薬剤師になることができます。
そのため、「薬剤師になる」という観点では、偏差値よりも薬剤師国家試験の合格率が高い大学を選ぶと良いでしょう。
各大学の薬剤師国家試験合格率は大学ホームページ等から確認できます。
その際、合格率とあわせて受験者数も確認するようにしましょう。
例えば、第105回薬剤師国家試験において、金沢大学の合格率は97.5%(39人合格/40人受験)と非常に高い合格率となっていますが、受験者数は40人です。(参照:薬学部へ行こう!)
金沢大学のホームページによると、6年制薬学部の定員は105人程度ですので、38%しか受験していないことになります。
受験していない人が多い理由は様々です。
- 見た目の合格率を上げるため、合格基準を満たしそうな人しか受験させない(私大に多い)
- 大学院進学が多く、学部卒業時点で国家試験を受験しない
- 就職先で薬剤師免許を必要としないため、国家試験を受験しない
- 留年が多く、入学時の定員より卒業人数が減っている(私大に多い)
などなど!
理由は様々ですが、受験しない人が多いと、受験する仲間が少なく、合格へのモチベーションを保ちづらいという可能性もあります。
一方で、静岡県立大学の合格率は89.52%(94人合格/105人受験)と金沢大学には劣りますが、受験者数は105人です。
静岡県立大学のホームページによると、6年制薬学部の定員は160人程度ですので、65%が受験しています。
受験者が多い環境だと、講義の中での国家試験対策等も積極的に実施されている場合が多く、国家試験の勉強環境が整いやすいと考えられます。
こういった状況も理解した上で、見た目の国家試験合格率でなく、実質の国家試験合格率の高い大学を選ぶのがポイントです。
②立地で選ぶ!
国立大学・公立大学を選ぶメリットの1つに学費が安いという点があります。
しかし、実家から通える環境であるか、1人暮らしをする必要があるかで生活費用は大きく異なります。
せっかく学費が抑えられても、生活環境を整えるのに費用がかかってしまう場合、実家から通える私立大学に進学する場合と、費用はさほど変わらない場合もあります。
そのため、自宅から通うのか、1人暮らしをする場合はいくらくらいかかるのか(家賃相場等)を考慮して大学を選択するのもポイントです。
③同じ大学に医学部があるか
薬学部を選ぶのに、医学部の有無を確認するのは2つのポイントがあるからです。
- 学生時代から、チーム医療を学べる
- 付属の病院がある場合が多い
医学部がある場合、学生時代から医学部生と関わる機会も増えます。
大学によっては、共に講義を受けたり、ディスカッションをしたりする機会もあります。
このような機会が多いことは、チーム医療を学生時代から学ぶきっかけになり、薬剤師になってからも、チーム医療の中での振る舞い方に役立ちます。
また、医学部がある大学では、付属の病院がある場合が多いです。
薬学部では5年次に実務実習がありますが、それよりも前の段階でも付属の病院で見学実習ができる等、早い段階で臨床の現場を経験することができます。
自身のスキルアップや、勉強のモチベーションにもなりますね!
④雰囲気を感じてみる
志望校をある程度絞ったら、オープンキャンパスに行き、大学の雰囲気を確認しましょう。
雰囲気については、「百聞は一見に如かず」です。
実際に大学に行き、自分の性格にあっているか、在校生はどんな人柄なのかを感じてみることが大事です。
薬学部は6年制なので、中学や高校の倍の時間を過ごすことになります。
自分に合っていると思える大学を選ぶことはとても重要です。
国公立大学薬学部のメリット
なんといっても費用が安い
文部科学省令では、国公立大学の入学金、授業料は下記の通りです。(国公立大学の法人化等により、費用が異なる場合もある。)
- 入学金:282,000円
- 授業料:535,800円
公立大学の場合
- 入学金:393,426円
- 授業料:537,809円
私立大学薬学部の平均的な費用は2,000,000円/年ですから、圧倒的な安さです!
一方で、先ほども書きましたが、大学へ通うために1人暮らしが必要となる場合もあります。
その場合は、1人暮らしにかかる費用も概算した上で考えてみましょう!
国公立大学薬学部のデメリット
国家試験対策が少ない
一般的に、私立大学薬学部の方が、国家試験対策を念入りに実施しています。
例えば、予備校の教師を招いて、国家試験対策授業も無料(授業料はこういうところに使われているのかな?)で開催されたり、模試を校内で受けたりすることができます。
もちろん、自身での勉強は大切ですが、ある程度、国家試験合格への道筋が示されています。
一方で、国公立大学では薬剤師国家試験対策の授業を積極的には実施していないところが多いようです。
各講義の中で必要な知識を学ぶことができますが、国家試験合格のために自ら対策をする必要が高いと言えます。
おすすめの国公立大学薬学部はこちら!
名古屋市立大学
①薬剤師国家試験合格率が高い
第105回薬剤師国家試験の合格率は83.33%(60人合格/72人受験)です。
名古屋市立大学のホームページによると、6年制薬学部の募集人数は、推薦等も含めて70人程度であり、卒業生ほぼ全員が受験してこの合格率は十分高いと考えられます。
②名古屋の中心地:金山駅から市バスで通える距離
名古屋市立大学は名古屋の中心地:金山駅から市バスで通える距離にあります。
都市部にあるため、生活用品を揃えるのにも困らないですし、バイト先も十分あります。
勉強だけでなく、友達と大学生活を楽しむにも申し分ない場所ですね!
③同じ大学に医学部・看護学部がある!
名古屋市立大学は、薬学部のほかにもいくつかの学部があり、医学部、看護学部もあります。
キャンパスは違いますが、すぐ近くのキャンパスです。
そのため、早い段階からチーム医療を意識した学習が可能です。
④国立と併願できる
名古屋市立大学は公立大学で、中期日程にて一般入試が実施されます。
そのため、国立大学の前期日程と併願することが可能です!
国立大学を第1志望としている方にもおすすめの大学です。
また、国立大学に合格して辞退する人も多いため、薬学科は定員の倍程度合格者を出しており、見かけの倍率はとても高いですが、実質倍率はそこまでではありません。
国公立大学薬学部を選ぶには!
国立大学・公立大学の薬学部を選ぶ際のポイントは、
- 薬剤師国家試験の実質の合格率
- 立地
- 医学部の有無
- 雰囲気
です。
志望校を決めないことには、受験勉強のやる気はあがりません。
まずは志望校を決めて、後悔のないように勉強してください!