中学生になると、様々なことに興味をもち、また、様々な影響を受けやすくなります。
一般的に、中学生という成長過程は、自分の内面に広がる世界に気づきはじめ、これからの自分の生き方を自然と模索しはじめる時期であるとされています。
この記事を読んでくださっている方の中には、
「中学生のこどもに、為になる映画を見せたいけど何が良いのかわからない。」
「そろそろ洋画を見せたいけど中学生のこどもに過激な映画は見せたくないなぁ。」
と、お子さまのために映画選びをされている方や、
「最近洋画にハマりだしたから、おすすめの作品を知りたいな。」
「親が安心して見せてくれる洋画を知りたいんだよね。」
と、おすすめの洋画作品を知りたい中学生の方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、中学生が安心して見られるおすすめの良作洋画を10作品ご紹介します。
目次(クリックでジャンプ)
心を豊かにする中学生におすすめの青春映画
友情や恋愛、家族など自分を取り巻く世界への探求、悩み、葛藤など登場人物たちの成長に、観おわった後には、心が豊かになるようなおすすめの青春映画を3作品ご紹介します。
おすすめ①スタンド・バイ・ミー
監督 | ロブ・ライナー |
キャスト | ウィル・ウィートン リヴァー・フェニックス コリー・フェルドマン ジェリー・オコネル |
年齢制限 | G(誰でも鑑賞可能) |
スタンド・バイ・ミーのあらすじ
アメリカ オレゴン州にある小さな田舎町キャッスルロック。
ゴーディ、クリス、テディ、バーンの少年4人は、それぞれ家庭に問題を抱えていた。
ある日、少年たちは、町から30キロほど離れた場所に列車に轢かれた死体が放置されているという噂を耳にする。
4人の少年たちは、死体の第一発見者として有名になるため死体探しの旅へと出発するのだった。
スタンド・バイ・ミーのおすすめポイント
ホラー小説で有名なスティーブン・キングによる短編小説「死体」を原作とした、小さな田舎町に住む少年らのひと夏の青春冒険映画です。
スティーブン・キング原作ですが、ホラーではありません!
本作は、アカデミー賞脚色賞にノミネートされた作品でもあります。
小さな田舎町の中にしかコミュニティがなかった少年らが、“死体探し”という目的のもと
自らの足で町を出て歩んでいく姿。
そして、冒険を終えた少年らに訪れた変化に内面的な成長を見られる作品になっています。
ノスタルジックな映像と音楽も相まって、友情で結ばれた少年らの姿に感動してしまうこと間違いなしです!
おすすめ②シング・ストリート 未来へのうた
監督 | ジョン・カーニー |
キャスト | フェルディア・ウォルシュ=ピーロ ルーシー・ボイントン |
年齢制限 | PG12(小学生以下のお子様は、保護者の方との鑑賞がおすすめ) |
シング・ストリート 未来へのうたのあらすじ
大不況下の1985年アイルランド ダブリン。
14歳の少年コナーは、父親が失業してしまったため荒れた公立学校へ転校させられてしまう。
両親のケンカが絶えない家庭ではあったが、兄と一緒に見る音楽テレビ番組が唯一の楽しみであった。
ある日、コナーは、町で見かけた大人びた少女ラフィナに恋をしてしまう。
ラフィナと仲良くなりたいがため、バンドPVへの出演にラフィナを誘ってしまい、急遽バンドを結成することとなるのだった。
シング・ストリート 未来へのうたのおすすめポイント
ジョン・カーニー監督がダブリンで過ごした子ども時代を半自伝的に描いた音楽映画です。
家庭も学校も最悪と感じていた少年コナーが、ひとりの女の子に一目惚れしてしまったことで、自らの力で大きく環境を変化させていく恋と友情の青春映画となっています。
コナーが恋してしまったヒロインのラフィナ役には、ファッションのインフルエンサーとして日本でも女性から支持を集めるルーシー・ボイントンが演じています。
ボイントンは本作出演後、「オリエント急行殺人事件」や「ボヘミアン・ラプソディ」に出演しました。
劇中で使用された音楽には、ザ・キュアーやデュラン・デュラン、ザ・ジャム、モーターヘッドなどイギリスを代表する80年代ロックバンドの楽曲をたっぷりと楽しむことができます。
洋楽が好きな方、80年代カルチャーに興味のある方におすすめの希望に満ちた青春映画です!
おすすめ③スクール・オブ・ロック
監督 | リチャード・リンクレイター |
キャスト | ジャック・ブラック ジョーン・キューザック |
年齢制限 | G(誰でも鑑賞可能) |
スクール・オブ・ロックのあらすじ
音楽への情熱はあるものの、バンドをクビになり落ちこぼれてしまっていたミュージシャンのデューイ。
ある日、デューイは、同居する友人ネッドあてにかかってきた臨時教師への誘いの電話を受けとる。
しかし、デューイはネッドに伝言を告げることなく、ネッドになりすまして臨時教師として名門私立学校に向かうのだった。
学校で出会った生徒たちの音楽の才能に感化されたデューイは、生徒たちとバンドコンテストへ出場するための計画を練り始めるのであった。
スクール・オブ・ロックのおすすめポイント
人生のどん底にいたミュージシャンが、こどもたちと音楽を通して人生の再生をはかろうと奮闘するコメディ音楽映画です。
デューイ役のジャック・ブラックは実際にバンド活動をしており、生徒役のこどもたちも実際に演奏をしています。
劇中では、レッド・ツェッペリンやザ・フー、クリーム、ザ・クラッシュなどロックバンドの名曲を楽しむことができます。
名門私立学校に通う子どもたちは、親や学校から自動的にクラシックを学ばされていましたが、ミュージシャンのデューイが現れたことで自由な音楽に触れ、自身の興味・関心について考えていくようになります。
ちぐはぐだった関係から、歳の差を越えて結ばれる絆に、鑑賞後は心が温かくなるような映画作品となっています。
楽しみながら教養が高まる!中学生におすすめの洋画
楽しみながら文学作品が学べるのも映画鑑賞の良いところですよね。
そこで、映画化された英米文学の名作を2作品ご紹介します。
おすすめ④華麗なるギャツビー(2013)
監督 | バズ・ラーマン |
キャスト | レオナルド・ディカプリオ トビー・マグワイア キャリー・マリガン ジョエル・エドガートン |
年齢制限 | G(誰でも鑑賞可能) |
華麗なるギャツビー(2013)のあらすじ
1920年代アメリカ ロングアイランド。
大富豪ジェイ・ギャツビーは、毎夜のように彼の豪邸で豪華なパーティを開催していた。
ギャツビー邸の隣のコテージを借りていたニックもパーティの招待状を受け取り、パーティへ参加することに。
多くの人でにぎわうパーティであったが、これまで誰もギャツビーの姿を見たことがなく、招待状などもらったことはないという。
謎に包まれたギャツビーであったが、ニックは特別にギャツビーと会うことになり、ギャツビーはニックへ身の上話をはじめるのだった。
華麗なるギャツビー(2013)のおすすめポイント
20世紀アメリカ文学を代表するF・スコット・フィッツジェラルドによる小説「グレート・ギャツビー」を原作とした映画です。
本作でバズ・ラーマン監督とレオナルド・ディカプリオは、「ロミオ&ジュリエット」に次いで再タッグを組むことになりました。
デイジーを手に入れようとするギャツビーの夢と幻想がアメリカン・ドリームとして描かれ、アメリカの普遍的テーマを感じることのできる物語となっています。
ロマンチックなだけでない複雑な人間ドラマを味わうことができますよ。
文学作品だからと身構えなくても、ギャツビー役のかっこいいレオナルド・ディカプリオやデイジー役の可愛いらしいキャリー・マリガンが映画に華やかさを持たせてくれて、とても見やすい映画となっています。
また、舞台セットもきらびやかなので見ているだけも十分楽しめますよ!
「これぞアメリカ文学!」を経験する第一歩に最適な映画作品です。
おすすめ⑤プライドと偏見
監督 | ジョー・ライト |
キャスト | キーラ・ナイトレイ マシュー・マクファディン ロザムンド・パイク |
年齢制限 | NR(指定なし) |
プライドと偏見のあらすじ
18世紀末イギリスの田舎町でベネット家は父と母と5人の姉妹で暮らしていた。
ある日、ベネット家の近所に資産家ビングリーが引っ越してくることとなった。
舞踏会が開かれると、美人の長女ジェーンはビングリーからダンスを申し込まれ家族は大いに喜んでしまう。
しかし、ビングリーの親友ダーシーは、ベネット家はビングリーに不釣り合いであると高慢な態度を示す。
その態度に、ベネット家の二女エリザベスはダーシーに強く反感を抱くのだった。
プライドと偏見のおすすめポイント
イギリスの小説家ジェーン・オースティンによる小説「高慢と偏見」を原作としたロマンス映画です。
エリザベス役を演じたキーラ・ナイトレイは、本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。
高慢なダーシーと偏見をもつエリザベスの反発する気持ちが、誤解が解け、それぞれの人柄や人間性が見えるようになった時に変化する二人の気持ちに感動してしまうロマンス物語となっています。
家柄、家族、環境と様々な問題が飛び交う中で、人生を共にする最愛のひとと結ばれる過程とその不変さに純粋に感動してしまうことでしょう。
イギリスを代表する文学作品のひとつであり、純粋なロマンスを楽しめる映画となっているので、イギリス文学に触れたい方にはおすすめの映画です!
前向きな気持ちになれる中学生におすすめの映画
自分の信じる先へ突き進む主人公の姿に、観おわった後には前向きな気持ちになれるおすすめの映画を3作品ご紹介します。
おすすめ⑥リトルプリンス 星の王子さまと私
監督 | マーク・オズボーン |
キャスト | 飛行士/ジェフ・ブリッジス(津川雅彦) 女の子/マッケンジー・フォイ(鈴木梨央) お母さん/レイチェル・マクアダムス(瀬戸朝香) |
年齢制限 | G(誰でも鑑賞可能) |
リトルプリンス 星の王子さまと私のあらすじ
名門私立学校へ入学するため、学区内の街へ引っ越してきた母と娘。
新居の隣には、なにやら不思議な雰囲気に包まれた家があり老人ひとりが暮らしていた。
娘である9歳の女の子は、母が仕事で留守の間、ひとりで勉強に勤しむのであったが、なんと隣の家の老人が自家用の小型飛行機で女の子の家に突っ込んできたのであった。
近隣住民からも敬遠されていた老人であったが、女の子は不思議なその老人のことが気になってしまい、老人に会いに行くことに。
二人は仲良くなり、老人は女の子へある物語を聞かせるのであった。
リトルプリンス 星の王子さまと私のおすすめポイント
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる「星の王子さま」を原作とした長編アニメーション映画です。
原作は、1943年にアメリカで出版されてから、今もなお世界中で親しまれ続けている不屈の名作小説。
本作は、現代に生きる女の子を主人公として描かれ、また、星の王子様のその後のお話を楽しむことができます。
安定した将来を手に入れるため、今が頑張り時であると信じて厳しいスケジューリングのもと勉強に励んでいた女の子が、ひとりの老人に出会ったことで今自分がすべきこと、したいことに挑戦していきます。
“自分の人生において大切なものとは何か”について考えるきっかけを与えてくれるような作品です。
出会い、別れ、愛、お金、仕事、権力など、人生における普遍的テーマを物語とした作品なので、子どもだけでなく大人の方にもおすすめの映画となっています。
おすすめ⑦500ページの夢の束
監督 | ベン・リューイン |
キャスト | ダコタ・ファニング |
年齢制限 | G(誰でも鑑賞可能) |
500ページの夢の束のあらすじ
グループホームで暮らす自閉症のウェンディは、SFテレビドラマの「スター・トレック」が大好きで、自作のスター・トレックの脚本を書いていた。
ウェンディの姉オードリーが施設に訪問すると、オードリーはかつて二人が暮らしていた実家を売りに出そうとしていると打ち明ける。
家を売り出すことに反対のウェンディは、映画会社が開催するスター・トレックの脚本コンテストに応募して、その賞金で家を買い戻すとオードリーに告げた。
脚本を書き上げたウェンディであったが、郵送では締切日に間に合わないことを知り、一人で街を出て映画会社まで脚本を届ける旅へと出発するのであった。
500ページの夢の束のおすすめポイント
自閉症のウェンディ役を演じるのは、映画「アイ・アム・サム」で一躍有名となったダコタ・ファニング。
可愛らしい女の子がスター・トレックのオタクで、こだわりが強く決められたルールの中で生活してきた彼女が一人で旅に出てしまうという、面白い設定の物語です。
家を手放したくなかったがため、生まれて初めて一人で新しい世界に足を踏み入れる姿に、ドキドキしながらもウェンディを応援せずにはいられない冒険映画となっています。
冒険を終えたウェンディが手にしたものは、賞金以上のものであったことに間違いありません。
これから新しいことに挑戦するとき、一歩踏み出すときに背中を押してくれるような映画作品です。
おすすめ⑧キューティ・ブロンド
監督 | ロバート・ルケティック |
キャスト | リース・ウィザースプーン ルーク・ウィルソン ヴィクター・ガーバー |
年齢制限 | PG12(小学生以下のお子様は、保護者の方との鑑賞がおすすめ) |
キューティ・ブロンドのあらすじ
裕福でブロンドで美人でおしゃれという完ぺきなステータスをもつ大学生のエル・ウッズは、政治家一家の息子であり彼氏のワーナーとの婚約を夢見ている。
しかし、大学卒業間近となったある日、ワーナーから別れ話を告げられてしまうのだった。
マリリン・モンローのような容姿をしたエルでは、将来上院議員となる自分にふさわしくないという。
よりを戻すため、エルはワーナーが入学するハーバード大学法科大学院への入学を目指して猛勉強をはじめるのであった。
キューティ・ブロンドのおすすめポイント
ガールズムービーの代表作とも言えるガールズパワー満載のコメディ映画です。
主演エルを務めたリース・ウィザースプーンは、本作でゴールデングローブ賞(コメディ・ミュージカル)最優秀主演女優賞にノミネートされ一気に知名度を高めました。
とにかくパワフルでポジティブなエルは、誰に対しても優しく自分の信念を曲げずに突き進んでいくことを恐れません。
男性ばかりの法律の世界で、たとえ浮いた存在となっても、自分のラッキーカラーのピンクを身にまとい、他人に臆することなく自分の考えを発信していきます。
観おわった後には、エルの力強さに爽快なパワーをもらえること間違いなしです!
多様性や個性を自然に学べる中学生におすすめの洋画
多様性を尊重し、個性が活きる時代になってきましたね。
そこで、多様性や個性をテーマに描かれたおすすめの映画を2作品ご紹介します。
おすすめ⑨ズートピア
監督 | バイロン・ハワード リッチ・ムーア ジャレド・ブッシュ(共同監督) |
キャスト | ジュディ・ホップス(うさぎ警官)/ジニファー・グッドウィン(上戸彩) |
年齢制限 | G(誰でも鑑賞可能) |
ズートピアのあらすじ
肉食動物と草食動物が共存する巨大な都市ズートピア。
田舎で育ったウサギのジュディは、幼いころから夢見ていたウサギ初の警官になり、家族から離れて念願のズートピアへとやってきた。
勤務初日、やる気に溢れていたジュディに任された業務は駐車違反の切符を切ることであった。
不満を抱えながらも街で取り締まりを行っていると、キツネの詐欺師ニックと出会い、それからワケあってニックとともに世間を騒がしているカワウソの失踪事件を追うことになるのだった。
ズートピアのおすすめポイント
ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」と「シュガー・ラッシュ」を監督した二人によって手掛けられたアニメーション映画です。
本作は、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞しました。
ズートピアという肉食動物と草食動物が共存する大都市を舞台に、夢を信じるウサギと夢を信じることを忘れてしまったキツネが、ともに問題を乗り越え、ズートピアをより良い世界にするべく奮闘していく姿が描かれています。
多様性に満ちあふれていた夢の楽園ズートピアが、楽園ではなくなったとき・・・。
人種差別や疑心暗鬼といった社会問題を動物キャラクターを通して表現された映画となっています。
多様性を認めることの重要さと個性の尊重というテーマをアニメーション映画で楽しく触れることのできる作品となっています。
おすすめ⑩ワンダー 君は太陽
監督 | スティーブン・チョボスキー |
キャスト | ジュリア・ロバーツ オーウェン・ウィルソン ジェイコブ・トレンブレイ |
年齢制限 | G(誰でも鑑賞可能) |
ワンダー 君は太陽のあらすじ
10歳の少年オギーは、生まれつきの遺伝子疾患により人とは違う顔をもっていた。
体は元気なものの、容姿が気になりこれまで自宅学習を続けていたのだったが、母イザベルの考えにより小学5年生からはじめて学校へ通うこととなった。
オギーにとってはじめての学校、そして友達。
はじめは傷つくことも多く落ち込むオギーであったが、優しくて面白く賢いオギーを慕う友達も次第に多くなり、本当の友達ができるようになるのであった。
ワンダー 君は太陽のおすすめポイント
R・J・パラシオによるベストセラー小説「ワンダー」を原作としたドラマ映画です。
母イザベル役にジュリア・ロバーツ、父ネート役にオーウェン・ウィルソンが出演しています。
はじめて通う未知の世界へ一歩を踏み出す少年と少年を優しくも強く支える家族の姿。
オギーの容姿に困惑を隠せなかった子どもたちが、オギーの内面性を見て変わる関係。
家族愛と友情愛に溢れた物語に感動してしまうハートウォーミングな映画となっています。
相手を思いやる言葉や励ます言葉など胸に刺さる言葉がたくさん出てくるので、涙してしまう人も多いはず!
勇気、強さ、優しさ、そしてユーモアを大切にしていきたいと思える映画作品です。
中学生におすすめの洋画で感受性を高めよう
今回ご紹介した洋画10作品はすべて、中学生が一人で見ても、友達と見ても、家族と見ても楽しめる作品ばかりです。
映画は、ただ見ているだけでも楽しめ、時には知識を得られたり、深く考察することもできます。
中学生という貴重な時間に、ぜひ多くの良作映画と出会って豊かな心を育んでくださいね。