皆さんもこのような経験はありませんか。
もしかすると、それは睡眠負債が原因かもしれません。
そこで今回は、睡眠負債とは何か、どうすれば良質な睡眠をとれるのかについてご紹介します。
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睡眠負債って知っていますか?
「睡眠負債」という言葉は、2017年に新語・流行語大賞でトップ10に入り、広まった言葉です。
睡眠負債とは?
睡眠負債とは、毎日の睡眠不足が少しずつ積み重なり、睡眠不足が慢性化することで、体に様々な不調をきたす状態のことを言います。
日本の睡眠負債の状況
日本は、睡眠負債を抱えている人が多い国の1つです。
もともと日本人は、寝る時間を削ってでも、何かをした達成感や充実感を獲得したいという価値観が備わっているからであると考えられています。
そのため、他国に比べて平均の睡眠時間は短く、実際に寝たいと思う時間ほど睡眠時間は確保できていない調査結果もあります。
睡眠負債が及ぼす影響とは?
睡眠負債は、時間が経つにつれて、肉体的にも精神的にも悪影響となり、命を脅かす可能性もあります。
①ストレスの増大
ストレスは、心と体に大きな負担をかけています。
一晩しっかりと休息を取ることで、心と体は落ち着き、ストレスが軽減されます。
しかし、睡眠時間が十分に確保できず睡眠負債の状態になると、ストレスが軽減されず、段々とストレスが蓄積していきます。
②免疫の低下
寝ている間は、日中に受けたあらゆる負担を回復し、病気の元になるウイルスに対して準備できるようにしています。
十分に睡眠が取れないと、免疫システムの生産が制限され、感染症を撃退するための身体能力が低下し、感染症にかかりやすくなるリスクがあります。
③体重増加
睡眠は、食べたり飲んだりしたものをエネルギーに変換するプロセスとして必要です。
そして体は常にエネルギーを消費し、身長に対して適した体重を保つように出来ています。
睡眠不足は、このプロセスを妨害しますので、肥満のリスクにもなります。
④気分の変動
寝不足の人は、怒りっぽくなりやすいと聞いたことはありませんか?
睡眠不足で疲労がたまっていると、不機嫌になり、イライラしやすくなります。
また、長期的な睡眠不足はうつ病の一因にもなります。
⑤血圧の上昇
睡眠不足によるストレスや不安は、血圧の上昇を招く可能性があります。
血圧の上昇は心臓発作や脳卒中を引き起こす要因になってしまいます。
睡眠負債を診断するにはどうしたらよい?
セルフチェックリストを使う
簡単にできることとしては、セルフチェックリストを用いて自分の睡眠について評価する方法があります。
あくまでも目安ではありますが、以下のサイトからできるため、ぜひ試してみましょう!
セルフチェックリストはこちらから→NHKスペシャル!睡眠不足が危ない
病院へ行く
睡眠負債になっているか自分で判断できなかったり、セルフチェックリストで睡眠負債が疑われた場合は、病院に行くことをおすすめします。
また、自分では気づくことができない場合もあるため、気になる方は一度受診してみたほうが良いでしょう。
最近では、睡眠科を設置している病院も増えてきているため、睡眠科を受診することをおすすめします。
睡眠負債を解消するための10箇条
睡眠負債を解消するためには、日々の睡眠時間を増やすことが重要であることは言うまでもありません。
しかし、なかなか寝付けなかったり、忙しくて寝る時間が確保できなかったりすることもありますよね。
そこで、少しでも睡眠負債を解消するために、睡眠評価研究機構代表:白川修一郎氏が提唱している10箇条をご紹介します。
午前中に日の光を浴びよ
朝日を浴びることは、1日の始まりの合図となります!
太陽光を浴びることで体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌が抑制されるため眠気がとれます。
食事の時間は一定にせよ
食事をとることも、体内時計を調整する要素となります。
そのため、規則正しく食事をし、体内時計を整えることが良質な睡眠にもつながります。
運動は夕方に。散歩もよし
ウォーキングや自転車などの適度な運動は、睡眠を促す神経物資を増やす要因になるため、快適な眠りにつきやすくなります。
また、神経物質が増えて眠いと感じるタイミングで眠れるよう、運動は夕方にすると良いでしょう。
カフェインは寝る3時間前まで
コーヒーや紅茶、緑茶といったカフェインが含まれる飲み物は、覚醒作用があるため、就寝前にはおすすめできません。
少なくとも寝る3時間前から、敏感な方は5時間前から控えるようにしましょう。
酒は寝る3時間前まで
アルコールを飲むと眠りにつきやすいと感じる方も多いと思いますが、睡眠の質を下げてしまう可能性があります。
体内でアルコールを分解する際発生するアセトアルデヒドという物質が、レム睡眠を妨害するからです。
睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に行われるため、そのバランスが乱れると睡眠の質が下がってしまうのです。
寝る2時間前より強い光を避けよ
体は、自然と同様に24時間サイクルで動いています。
そのため、寝る時間につれて照明を暗くしていくことで、体内時計を調整し、眠りやすい状態を作ることができます。
照明をつけたままで寝る方もいるかと思いますが、光があると脳が完全に休めておらず、疲労が溜まりやすくなります。
風呂は寝る30分前に
眠りを深くするには、深部体温を下げることが必要です。
また、深部体温の下がり方が急激であるほど、眠りにつきやすくなります。
そこで適しているのが、入浴です。
ぬるめのお風呂(40度前後)に15分程度浸かることで深部体温が上がり、お風呂から出ると、段々と深部体温が下がっていきます。
深部体温が下がっていくタイミングと同時に、睡眠に入れば、寝つきやすくなります。
寝室は18~26度に保つべし
人間の体温は一日のうちで2度近く上下しており、体を休息させる時間がくると、深部温度が下がるようになります。
しかし、部屋の温度が高すぎたり低すぎたりすると、深部体温を理想の状態に整えることが難しいため、寝室は18~26度に保つと良いでしょう。
布団でのスマホ・ゲームは御法度
スマートフォンやパソコンからはブルーライトが放出されており、メラトニンの分泌が抑えられるため、睡眠の妨げになります。
就寝前にスマートフォンなどの電子機器を使用しないようにするだけでも、睡眠の質が変わります。
寝なきゃとあせるべからず
「眠ろう、寝ないといけない」等と焦ってしまって、さらに眠れなくなったという経験はありませんか?
寝るためには、リラックスし、副交感神経を優位にする必要があります。
焦るのではなく、アロマを使用して快適な気分にするなどの工夫も大切です。
健康な人生を送るためにも睡眠を見直そう!
自分でも気付かないうちに、睡眠負債を抱えている方も少なくはないはずです。
しかし、睡眠負債を解消するにあたり、1つ1つが難しいことではなく、少し気をつければ良い部分も多くあります。
1日24時間のうち、睡眠に使う時間は決して短くはないからこそ、日々の小さな積み重ねが、今後の人生に少なからず影響してきます。
睡眠負債をかかえていない方でも、事前に予防することが大切です。
健康を維持するためにも、睡眠はとても重要です。
今日からでもすぐに始めて、人生を大切にするための参考になれば幸いです。